夜中の2時、私は矢も盾もたまらず、走り出した。
行こう、と決めていたのに、あれやこれやの諸用で1日を潰してしまった。
折角の3連休の1日を潰してしまった、そのことが真夜中の狂走へと私を駆り立てた。
高速道路を西へ西へ走り続けた。
6時間、ただ走った。
そして、フェリーに乗り、バスに乗り、遂に辿り着いた。
私は今、小豆島の二十四の瞳映画村に来ている。
かれこれ11時間、長野県から香川県に属する小豆島まで来た。
冷静になってきた。
ちょっと、馬鹿なことをした。
しかし、後悔はない。
八日目の蝉が、地面に落ちる前に見た海のような、清々しい気持ちだ。
一頻り、写真を撮ったら、長野県に戻る。
もちろん、11時間をかけて、である。